「第5回 Green Hospitality Osaka シンポジウム」を開催いたしました。
日本みどりのプロジェクト推進協議会主催「第5回 Green Hospitality Osaka シンポジウム」が3月17日(月)に開催されました。
大阪梅田地区で「Green Hospitality Osaka」の実現に向け、「みどり」を活用したエリアマネジメントやパークマネジメント推進における
情報共有や活発な議論が交わされ、実りあるシンポジウムとなりました。
今後とも日本みどりのプロジェクト推進協議会では、豊かな自然を育む日本を世界に発信するために国・地方自治体・民間企業・団体等とともに幅広い活動を展開してまいります。
- 日 時
- 2025年3月17日(月)14:00~17:30
- 場 所
- 大阪富国生命ビル4階(まちラボ/エレベーターホール)
- 参加者数
- 95名(会場参加のみ)
【プログラム】
1.開会(主催者)挨拶:一般社団法人 テラプロジェクト 理事長 小林 昭雄

冒頭 主催者である一般社団法人テラプロジェクト小林昭雄理事長より、開会のご挨拶ならびに「第5回Green Hospitality
Osakaシンポジウム」開催の狙いである「ソーシャルビジネスで拓く持続可能なみどりの環境づくり(Green
Hospitality活動)」に通じる、各種社会貢献事業について、テラプロジェクトの具体的な取組事例をもとに詳細な紹介があった。
また、今回のシンポジウムを通じて我々に身近な“みどり”の拠点である、公園のもつ機能の多様性を再確認するとともに公園の姿を行政や地域社会が持つ従来の“べき論”から市民参加の“いいね論”に転換することの重要性を指摘された。
2.ご来賓挨拶:大阪北区長 寺本 譲 様

引き続き、大阪市北区長寺本譲様からは、ご来賓挨拶として北区における公園をはじめとする都市緑化の現状と課題を紹介いただいた後、
本シンポジウム開催へのお祝いと今後の活動への期待を述べられ、シンポジウムの第一部が始まった。
3.特別講演-1:流通科学大学経済学部 教授 植松 宏之 様

「特別講演1」として流通科学大学経済学部植松宏之先生から「エリアマネジメントがひらくまちづくりの未来」をテーマで、
エリアマネジメントの定義や、国内外のエリアマネジメント活動事例、特に梅田地区のエリアマネジメント活動のについて詳しい紹介があった。
なかでも植松先生ご自身が取り組んでこられた大阪版BID条例や日本版BID法創設、
さらには大阪梅田地区でのエリアマネジメント組織の代表として取組まれた様々な先進的な事例についてご紹介された。
最後に今後のエリアマネジメントの方向性(エリアマネジメントは、ローカルファーストの視点で経済的な活動から社会的な活動にシフト)や、
“みどり”が生み出す新産業やコミュニティ、さらには経済効果の可能性について展望と課題提起があった。
4.特別講演-2:NPO法人「NPO birth」事務局長 佐藤 留美 様

「特別講演-2」としてNPO法人「NPO birth」佐藤留美事務局長様より「“パークポジティブ”〜公園のチカラはまちの力〜」をテーマにお話しがあった。
全国でも稀な「みどりの中間支援組織」である「NPO
birth」の設立経緯からはじまり、自らの海外でのNPO体験や、「みどりの中間支援組織」として様々な形で企画運営に携わられている全国の公園や民有緑地の保全・利活用について多くの事例を交えご紹介があった。
日本が直面する多様な社会課題~都市災害、少子高齢化、自然環境の悪化、
地域力の低下~解決に貢献する「グリーンインフラ」である7つの公園のチカラ(「自然を守り育てる」「教育・遊びを子どもたちに」「健康とレクリエーションを」「文化・芸術を発信する」「都市の防災をサポート」「まちへの経済効果」「コミュニティに絆を」)の具体的な活動事例報告など新鮮で興味深いお話があった。
5.事例発表(4件)

①【発表者】
大阪市建設局公園緑地部 公園活性化担当部長 牧 慎一郎 様
【テーマ】
「大阪市の公園における官民連携の取組」
【内容(骨子)】
大阪市緑の基本計画ご説明の後、長居公園における民間提案による、課題解決の取組事例としての「スケートボード広場」の設置と効果など、
近年実施された大阪市内の大規模公園における官民連携の紹介があった。
現在は、公園官民連携提案窓口も開設され、中小も含む公園における官民連携の力を注がれている。

②【発表者】
扇町公園スマイルパートナーズ 代表 大和リース(株)執行役員 大阪本店長 堀越 良一 様
【テーマ】
「扇町公園 Value Innovation」
【内容(骨子)】
大和リース(株)様は、現在全国で37カ所、953.5haの公園管理事業の実績をお持ちであり、
今回は大阪府下でのPark-PFIの事例の中から扇町公園の価値創造について、
指定管理事業者としての2年間の活動実績(施設整備・改修の取組)や、扇町公園プラットホーム(スマイルパーク扇町)が取組んだ公園の魅力向上に向けた各種活動について紹介があった。

③【発表者】
【般社団法人テラプロジェクト 専務理事 峯平 慎哉 様
【テーマ】
「扇町公園One Greenプロジェクト~みどりのサンタの植育イベント“公園と街にお花を届けよう”~」
【内容(骨子)】
テラプロジェクトが取り組まれている多くのOne Greenプロジェクトの中から、
大阪市北区での「レモン樹によるみどりの回廊づくり@梅田」と「みどりのサンタの植育活動@扇町公園」を通じた
「ソーシャルビジネスづくり」の背景と意義についての詳しい紹介と今後のOne Greenプロジェクト方向性についてのご提案があった。

④【発表者】
(株)星田逸郎空間都市研究所 代表取締役 星田 逸郎 様
【テーマ】
「“Ground City”―まち・ひと・みどりの関係づくり―」
【内容(骨子)】
梅田が本当の都市になるためには、うめきたⅡ期の開業による有名ブランドやイベント展開だけではなく、
既存市街地も含んだ日常文化のネットワークづくりと場づくりの重要性を“みどり”と都市空間の視点から紹介があった。
具体的には、「みどりと人間の関係をデザインすること」の重要性をご自身が携わられた建築・設計施設の事例をもとにご説明された。
6.パネルディスカッション

【コーディネータ】
流通科学大学経済学部教授 植松 宏之 様
【パネラー】
大阪市建設局公園緑地部 公園活性化担当部長 牧 慎一郎 様
扇町公園スマイルパートナーズ代表 大和リース(株)執行役員 大阪本店長 堀越 良一 様
一般社団法人テラプロジェクト 専務理事 峯平 慎哉 様
(株)星田逸郎空間都市研究所 代表取締役 星田 逸郎 様
【議論の内容(骨子)】
パネルディスカッションのテーマは、「“みどり”がひらくまちづくりの未来」。
その背景には、2002年都市再生特別措置法が創設され、大阪梅田地区は、都市の再整備が進み、国内外から多くの来街者を迎える国際都市に成長してきている。
昨年、国が「都市における緑地の保全及び緑化の推進に関する基本的な方針」を打ち出し、都市再生事業にも「みどり」の重要性を訴求している。
本年4月に2025大阪・関西万博を迎え、「みどりでおもてなし」の精神で実践されている4名の方から以下の3つのテーマで、寺本北区長、佐藤留美様に加えて、ウメシバまちづくり協議会三島会長など会場参加者も交えて活発な議論が交わされた。
【パネルディスカッションの3つのテーマ】
・「みどり」と「地域経済の活性化(不動産価値・観光促進)」
・「みどり」と「イノベーション(社会課題解決・新産業創造)」
・「みどり」と「コミュニティ形成(地域との合意形成・シビックプライド)」
7.閉会挨拶:
公益財団法人 大阪観光局 万博・IR推進室観光ショーケース担当部長 砂野 智司

本シンポジウムの閉会にあたり、日本みどりのプロジェクト推進協議会の事務局で、公益財団法人大阪観光局の砂野部長より、
今回のシンポジウムへの参加の御礼と今後の官民一体となったまちづくりへの期待を述べられて「第5回Green Hospitality Osaka シンポジウム」は閉会した。