日本みどりのプロジェクト推進協議会主催「One Green in EXPO 2025」報告書
日本みどりのプロジェクト推進協議会は、5月7日(水)~8日(木)の2日間、2025大阪・関西万博会場にて、「One Green in EXPO 2025」を開催いたしました。
当日は、「日本の自然のショーケース“One Green”を世界に発信!」をテーマに日本みどりのプロジェクト推進協議会が理念に掲げる「世界有数の自然と多様な動植物との共生で世代を超えて、豊かな生活とみどりを繋ぐ~Green for Well-Being、Save The Earth~」を“地域の未来”と“自然活用の未来”の視点から国と地方で議論を深める『全体シンポジウム(5月7日開催)』と“自然由来の未来社会”を提案する『対話型ワークショップ(5月8日開催)』、会員自治体や団体、企業の持つ自然素材に触れる『体験型ワークショップ(5月8日開催)』を両日開催するとともに、『観光PRイベント(5月8日開催)』も会場を屋外に移し並行して開催いたしました。
なお、5月7日の『全体シンポジウム』には会員自治体、団体、企業を中心に約150名の参加がありました。翌日5月8日の『対話型ワークショップ』にはのべ150名が、『体験型ワークショップ』には、のべ500名の参加があり、屋外会場の『観光PRイベント』も好天に恵まれ大いに盛り上がりました。
―「One Green in EXPO 2025(5/7~8)」実施報告―
【1日目(5月7日):全体シンポジウム@「フェスティバルステーション」】
<開催テーマ:「日本の自然のショーケース~自然由来の観光・体験資源の未来~を世界に発信!>
<プログラム>
(司会・モデレーター:野嶋 紗紀子)
【開会挨拶】
- ・冒頭、日本みどりのプロジェクト推進協議会会長である阿部守一長野県知事より、本シンポジウムへのご参加に対する御礼とシンポジウム開催趣旨について述べられました。
- ・また、日本みどりのプロジェクト推進協議会の設立趣旨やこれまでの活動内容について詳しくご紹介がありました。
- ・最後に、今後の日本みどりのプロジェクト推進協議会の活動の方向性の提示と将来に向けての抱負を参加者に向けて語られました。

【会員代表挨拶】
- ・引き続き、日本みどりのプロジェクト推進協議会会員企業を代表して株式会社日本旅行代表取締役社長小谷野悦光氏よりご挨拶がありました。
- ・また、本協議会を通じて全国で活動を展開されている“Go Greenプロジェクト:カーボンオフセット旅行”の中で、特に、日産自動車様と取組まれている“Green Journey推進委員会”の活動と今後の展望について動画も交えて詳しい紹介がありました。
- ・最後に、日本みどりのプロジェクト推進協議会への今後の期待と参加者への謝辞を述べられました。

【セッション①】
<テーマ>「地域の魅力~持続可能な地方、未来に向かって~」
―森林を活かした持続可能な地方・未来づくり―
<論 点>①地域資源活用による持続可能な地方・未来,②多様な担い手の確保,③多様な主体との連携

・「地域の魅力~持続可能な地方、未来に向かって~」をテーマに青山豊久林野庁長官、濵田省司高知県知事、溝畑宏大阪観光局理事長の3名が登壇され、野嶋紗紀子さんをモデレーターに発表・議論が交わされました。
・最初に、林野庁青山長官から「これからは、『木造ビル』の時代~地球温暖化をくいとめるための選択~」をテーマに我が国の森林資源の現状と課題、地球温暖化防止に向けた林業の循環産業化についての発表と課題提起がありました。特に、「まち」中での『木造ビル』の普及・拡大のための評価方法の提示や、クライメート・スマートの重要性について力説されました。
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・続いて、高知県濵田知事からは森林率日本一である高知県材の大屋根リングへの木材供給での大阪・関西万博への貢献内容や、大阪・関西万博における高知県主催催事についての詳しい紹介ならびに高知県の観光ツアー“どっぷり高知旅”、高知県を舞台にした「連続テレビ小説“あんぱん”」のPRがありました。
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・最後に、大阪観光局溝畑理事長からは、「大阪の都市緑化について」御堂筋やうめきたⅡ期(グラングリーン大阪)を事例に、世界の都市間競争の中で都市緑化の重要性について発表がありました。また、将来的なメタバースの活用による「大都市に居ながら“誰もが参加する”森林づくり」のXR・VR技術活用の可能性について提案がありました。
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*各自ご発表の後に、論点に基づく活発な議論が交わされました。
【協賛会員挨拶】
- ・休憩の後、協賛企業であるリバー産業株式会社代表取締役河啓一氏 よりご挨拶を頂戴しました。
- ・河氏は、18世紀のイギリスのイングリッシュガーデンやフランスの 整形式庭園を事例に緑を愛した国は豊かになると力説されました。
- ・今後、大阪もグラングリーンなど都市部に緑が段々と増えてお り、世界最大の木造建築もこの万博で生まれた。緑と自然を愛し て、癒しや安らぎの中に想像力を生み出し大阪の魅力を発展させるためにも一本でも多く緑を植え て、幸せになって行こうと決意を述べられました。

【セッション②】
<テーマ>「未来に求められる自然を活かした観光」
<論 点>①付加価値コンテンツ(日本・地域の強み) ②国立公園など自然の可能性③将来に拡充(森林・河川・動植物コンテンツ)
・「未来に求められる自然を活かした観光」をテーマに長﨑敏志観光庁観光地域振興部長、植田明浩 環境省自然環境局長、阿部守一長野県知事、平井伸治鳥取県知事の4名が登壇され、セッション① と同様に野嶋紗紀子さんをモデレーターに発表・議論が交わされた。
・最初に、観光庁長﨑観光地域振興部長より「地域の自然資源を活かした観光への期待」をテーマに観光を取り巻く現状、観光政策の方向 性、豊かな自然を活かした観光振興の取組についてご紹介があり、その中で、地域の観光資源を活用してインバウンドが求める地域のストーリーを体現する商品へと昇華すること(日本でしかできない体験の商品化)が重要であると述べられました。
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・続いて、環境省植田自然環境局長より「日本の国立公園~未来の世代につなぐネイチャーポジティブ~」をテーマに日本の国立公園が提供する価値や国立公園満喫プロジェクト、国立公園ならではの自然体験アクティビティガイドラインの紹介、更にはインバウンド向けツアーである国立公園における感動体験・アドベンチャートラ ベル創出事業についてもご紹介いただきました。
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※動画は除いたものを掲載しております

・引き続き、長野県阿部知事からは、未来に求められる自然を活かした観光に向けた長野県の取組、中でも、日本みどりのプロジェクト推進協議会の意義と具体的な活動や、木や森の「知の集積地」である木曽谷・伊那谷フォレストバレーにおける森林サービス産業への取組事例など世界の人々を魅了する長野県について詳しくご紹介が ありました。
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・最後に、鳥取県平井知事より、2025大阪・関西万博を契機に取組を開始したヨルダン、サウジアラビアとの間での「サンド・アライアンス」の結成や、万博会場における鳥取無限砂丘の設置、更には砂丘を利用したサンドボードやパラグライダー、YOGA等の多様なアクティビティなど鳥取砂丘の自然とその魅力について、ユーモアを交えたご紹介がありました。
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*各自ご発表の後に、論点に基づく活発な議論が交わされました。
【One Green 宣言・閉会挨拶】
・最後に、閉会挨拶も兼ねて、日本みどりのプロジェクト推進協議会副会長である溝畑宏大阪観光局理事長より、「One Green in EXPO 2025 宣言」が読み上げられ、今回のシンポジウムを閉会いたしました。
*ご登壇いただきました皆様、アドバイザー、司会/モデレーターの皆様、ありがとうございました。
【2日目(5月8日):ワークショップ(対話型・体験型)@「フェスティバルステーション」】
<対話型ワークショップ(収容人数:50名)>
①テーマ:「自治体の遊休地活用と木材利用の推進について」
講 師:大建工業株式会社 執行職 エコ事業部 副事業部長 吉田 忠史 氏
内 容:自治体の遊休地の管理はコストや人手不足で課題となっています。当社は、保有する木材加工技術を活用し、防草材『Deco マルチ』や軽量木質培地『グロウアース』を開発しました。 これにより、防草や都市型菜園の設置をワンストップで行うビジネスモデルを提案すると
ともに地域の木材を有効利用による地産地消モデルの構築に取り組んでいます。
②テーマ:「観光宿泊市場における今後のSDGsの意義と動向」
講 師:株式会社サクラクオリティマネジメント 株式会社日本ホテルアプレイザル
代表取締役 北村 剛史 氏
内 容:世界の観光宿泊市場におけるSDGsへの取組と意義について 紹介した後、今後の日本の観光宿泊市場におけるSDGsの取 組の必要性とその効果を伝えて、今後の日本流SDGsの在り方について議論を深めたい。
③テーマ:「サスティナブルツーリズムを推進する“GREEN JOURNEY”とは」
講 師:株式会社日本旅行事業共創本部 部長 椎葉隆介 氏
内 容:旅行・観光産業は、世界のCO2排出量の約1割を占める。
昨今、サスティナブルツーリズムも増加して来ているが、まだ一般化していない。一方で円安の影響から国内観光需要が高まっており、この機会を活かして国内旅行のサスティナブル化を推進していくために、これから必要な取組について一緒に考えていきましょう。
④テーマ:「農泊と地域観光イノベーション」
講 師:一般社団法人ファームステイ協会 代表理事 上山 康博 氏
内 容:我々は、日本の地方を元気にしようとする全国の関係組織・団体の力を結集し、農林水産省の掲げる「農泊」及び「ファームステイ」を営む事業者の支援を通して、旅行者が訪れたくなる地域の魅力を創り出し、その品質向上・維持・情報発信によって、「Countryside Stay 市場」を確立することで地域の活性化を目指します。
⑤テーマ:「森林浴の健康増進と疾病予防効果」
講 師:一般社団法人日本森林医学会 代表理事 李卿 氏
内 容:2004年から森林浴の健康増進及び疾病予防効果の検証研究を開始し、それ以来、森林浴の様々な健康増進・疾病予防効果が科学的に証明された。ここで森林浴の様々な健康増進・疾病予防効果を紹介する。
<体験型ワークショップ(各コーナー11:00~18:00開催、4名/1回30分)>
- ① 長野県 体験メニュー:「木工体験(信州のヒノキを使った箸づくり体験)」
- ② 岐阜県 体験メニュー:「東農ひのきの削り華“かんなしゅ”プログラム」
- ③ 富山県/南砺市 体験メニュー:「福野夜高行燈うちわ/缶バッチ作り体験」
- ④ 高知県 体験メニュー:「鳴子づくり体験」
- ⑤ 新潟県 体験メニュー:「“いわふね杉”のカケラにふれよう」
- ⑥ 大阪府(大阪府木材連合会) 体験メニュー:「木工体験」
- ⑦ 大阪府(大阪府木材連合会) 体験メニュー:「木育プログラム(未来の森を育てよう!)」
- ⑧ 長野県/安曇野市 体験メニュー:「木工体験(端材や松枯れでスマホスタンドを作ろう)」
- ⑨ EASTTOKYO協議会 体験メニュー:「不要な布で“花活布”を作ってみよう」
- ⑩ 京阪園芸(株) 体験メニュー:「バラの香りを楽しむ」



【2日目(5月8日):自治体観光PR@「ポップアップステージ「北」】
- ① 長野県 イベント内容:「読み聞かせライブイベント」(11:00~/13:50~)
- ② 熊本県 イベント内容:「もっと、も~っと!くまもと。」(12:00~/15:50~)
- ③ EASTTOKYO協議会 イベント内容:「キャラクタークイズショー」(12:50~/16:40~)
- ④ 高知県 イベント内容:「よさこい演舞&鳴子踊り体験」(14:50~/17:40~)
