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ゼロカーボン実現のための新たな木材活用の潮流を理解し、国産材を活用するための
「WOOD CHANGE!これからの木材活用セミナー」を開催しました

WOOD CHANGE!これからの木材活用セミナー
日 時
令和3年(2021年)10月21日(木)12:30-17:00
会 場
飯山市文化交流館なちゅら 大ホール
参加費
無料
対象者
自治体職員、森林・林業関係者、建築関係者等
参加実績
320名(会場参加、WEB 参加合計)


【同時開催】
県産材製品展示会
日時:令和3年(2021年)10月21日(木)10:30ー17:00
会場: 飯山市文化交流館なちゅら1・2F大ホール前 スペース
展示企業:(株)テオリアランバーテック、(株)山崎屋木工製作所、齋藤木材工業(株)、(株)第三木材、根羽村森林組合、征矢野建材(株)、信州木材認証製品センター、日本みどりのプロジェクト推進協議会


日本みどりのプロジェクト推進協議会のGreen Recoveryプロジェクトは、10月21日(木)に長野県飯山市において、国産材・地域材の効果的な活用手法について考えるための「WOOD CHANGE!これからの木材活用セミナー」をリアル・WEBで同時開催しました。

10月1日に施行された改正公共建築物等木材利用促進法により、ゼロカーボン社会実現のため、公共施設に加え、今後民間施設での木質化が今後加速していくことが予想されます。また、都市部の自治体においても、森林整備・活用のための森林環境譲与税について、その効果的な活用方法が求められています。

今回のセミナーでは、建築家・隈研吾氏や林野庁政策ご担当者をお招きし、「建築物における木材活用のさらなる推進」や「改正法を活用したさらなる木質化の流れ」をご紹介し、またみどりのプロジェクト会員団体の取り組みのご紹介などを行いました。都市部の企業・自治体も含め、多くの方々にとって、地域の木材を効果的に活用する方法について理解を深め、木質化に関する取り組みのきっかけを作る機会としてご活用いただきました。

イントロダクション12:30〜12:40 (10分)

「これからの木材活用 セミナーの開催にあたって」
日本みどりのプロジェクト推進協議会 事業部長 山内絢人

はじめに、協議会事業部長の山内絢人(株式会社Glocal Innovation Holdings代表取締役・一般社団法人ナショナルパークスジャパン代表理事)から、今回のセミナーの開催趣旨及びスケジュールをご説明しました。山内からは、国産材・木質化を持続的に行い産業・マーケットとして発展させていくためには、当然のことながら、事業者がきちんとビジネスとして稼いでいけるようにすることが何より必要であり、行政側の体制づくり環境づくりと事業者側のビジネス化の両輪こそが重要という話がありました。また、本セミナーについては、今生まれてきつつある木材活用の新たなニーズについて、参加者で知見を高め合い、産官学で連携しあうきっかけとなる「勉強会」であると考えているので、参加者の皆様からはリアル・オンラインどちらからでもぜひご質問をお気軽にいただき活発な議論を期待したい、との話がありました。
最後に、先日長野県で収録を行った、日本みどりのプロジェクトアンバサダーの俳優・渡辺謙さんと阿部会長らとの対談インタビュー上映しました。

セミナー①12:30 12:40 (10分)

「建築物における木材活用のさらなる推進に向けて」
建築家・日本みどりのプロジェクトアンバサダー 隈 研吾

続いて、隈研吾氏から、本セミナーの基調講演がありました。
隈研吾氏からは、人類史上、合理性の追求・集中化によって現代の都市が成立し、いまだに高層建築が競うように行われているものの、今回のコロナでその潮流が大きく変わってきており、「集中から自然へ」という世界の変わり目が来ている、とのお話がありました。その後、隈研吾氏のこれまでの作品を示しながら、自然との共生を建築によって図っていく際、人間の長年の「友人」である木材の持つ価値が再評価されており、今後もこの流れが加速化することが期待される、とのお話がありました。

セミナー②13:40~14:10(30 分)

「日本みどりのプロジェクト会員事例 紹介」
「森林づくりは人づくり」高知県梼原町森林の文化創造推進課長 立道 斉氏

高知県梼原町の立道課長からは、梼原町ではこれまで6施設を隈研吾氏がデザインするなど、隈研吾氏とのゆかりが非常に深く、木材をふんだんに活用した同6施設のご紹介がありました。また、これまでも森林づくりを推進する観点から環境先進企業と高知県との間での3者でのパートナーズ協定を締結し、木質資源を活用した地域循環型社会の構築の取り組みなどのご紹介がありました。さらに、「森林づくりは人づくり」であるという観点から、多くの地域おこし協力隊員を受け入れ、森林産業の発展継承に以下していることのご紹介がありました。

「地域材を活かす!皆さんの地域の身近な木材有効活用事例」
有限会社大丸木工所代表取締役 大谷 展弘氏
飛騨産業株式会社 コントラクト事業部部長 尾崎 哲也氏

日本みどりのプロジェクト推進協議会の会員から、具体的な事例の紹介がありました。

有限会社大丸木工所 大谷 展弘氏

千葉県いすみ市で家具の製造・販売を行う大谷社長からは、地元の放置杉を飛騨産業の圧縮家具技術を使って家具として生まれ変わらせることで、資源循環型社会を実現していく取り組みについてのご紹介がありました。いすみモデルでの「森の再生プロジェクト」では、商工会の枠組みでそれぞれの事業者が強みを活かして、企業と行政が連携し、森林の課題を解決していくことが重要であると強調されていました。

飛騨産業株式会社 コントラクト事業部部長 尾崎 哲也氏
尾崎部長からは、飛騨産業として、少しでも多く国産材を活用して家具を作っていきたい、という思いと、長野県立大学や木曽町役場など、地域材を活用した家具・内装の納品事例についてのご紹介がありました。

「売上・認知度を激増させる最先端マーケティング手法について~各社の成功事例を踏まえて~」
シエンプレ株式会社 代表取締役 佐々木寿郎氏

WEB出演された佐々木社長からは、最新のウェブマーケティング専門家の立場から、「国産材・地域材をテーマにした動画を皆さんが作って投稿することで、多くの人々の目に留まり、その価値が広まっていく。それにより国産材・地域材のブランド化がなされていく」とのお話がありました。最近は特に動画でのマーケティングが主流であり、専門的な撮影・編集スキルなどがない今から始めたとしても遅すぎることはないため、動画マーケティングによる地域材の発信に取り組むべき、とのお話がありました。

セミナー②13:40~14:10(30 分)

小木曽 純子 氏 (林野庁木材利用課 建築物木材利用促進官)

「公共建築物等木材利用促進法の改正とこれから」 ~すすめよう!ウッド・チェンジ〜

林野庁の小木曽純子 氏から、今年法改正がなされた公共建築物等木材利用促進法に関して、現在の日本の森林をめぐるマクロ的な状況や木材活用の状況を交えてお話をしていただきました。
現在、人工林については、成熟した樹齢50年を超えるものが増えてきており、半数が利用期になっている中、人工林をより多く使っていき、身の回りのものに木材を利用するウッドチェンジを林野庁として推進しています。今般、公共建築物から民間建築物に、国産材活用に関する基本方針等の対象が広がり、「建築物木材利用促進協定」制度の創設や「木材利用促進の日(10月8日」「木材利用促進月間(10月)」も法定化され、国産材利活用についての普及啓発を林野庁としてもさらに推進していく、木材活用について何かあればぜひ相談を、とのことでした。

セミナー④15:00〜15:50

鈴木 信哉 氏
ノースジャパン素材流通協同組合理事長

鈴木理事長からは、現下のウッドショックの影響や今後の木材需給予測について、日本の林業の歴史を江戸時代から現代まで通史で解説いただきました。これからの林業が発展するための現状の課題やその解決方法としての、川上から川下までの情報流を復活させストック機能を分担し合ったサプライチェーンマネジメントの確立の必要性について、話がありました。

信州大学 農学部 植木 達人 教授

会場にお越しの信州大学農学部 植木教授からは、林業の担い手確保についてコメントをいただきました。現在、若手労働力の奪い合いが起こる中で、林業に若手を定着させるためにも、働き手を満足させることができる賃金の確保が重要であるものの、現状はまだ、杉や檜も値段が安くこれらを高めていくことが必要であること、そのためにも、川上から川下までの信頼関係をしっかり構築させる必要があることなどお話がありました。

フリーディスカッション 15:50〜17:00

登壇者
コーディネーター:山﨑 明 氏 (森林経営 アドバイザー)/有限会社大丸木工所代表取締役 大谷 展弘氏/飛騨産業株式会社 コントラクト事業部部長 尾崎 哲也氏/シエンプレ株式会社 代表取締役 佐々木寿郎氏/林野庁木材利用課 建築物木材利用促進官 小木曽 純子 氏/ノースジャパン素材流通協同組合理事長 鈴木 信哉 氏

その後、これまでの発言者がステージに上がり、会場から、ネットからの質問に対して、回答するセッションが行われました。会場から、大丸木工所 大谷氏に「放置杉問題解消のような地域課題解決型の産官学連携プロジェクトを行う場合、行政とはどういった協力関係を築くのが最適か」という問いに対しては、「地域課題を解決するためには、事業者が主体で物事を行なっていくことが必要であり、行政には、情報をスムーズに共有していただいたり、オープンにしていただくといった環境づくりを特に求めたい」といった回答がありました。

フリーディスカッション内セミナー④ 16:20~16:50

フィンランド・ビジネスヨエンスー(北カルヤラ県産業支援センター)
森林バイオエコノミー専門家 ティモ・ターバナイネン氏
(同時通訳で登壇)


林業の盛んなフィンランドのティモ・ターバナイネン氏から、フィンランドの林業に関してお話しいただきました。

フィンランドでは、林業は持続性の高い事業であり、全産業のうち重要な位置を占める。森林のバイオエコノミーという考えを持ち、それは環境と経済成立の両立を目指している。また、エネルギーとして木材の活用は重要である、といったお話がありました。

また、フィンランドでは、森林産業として様々なスタートアップも出てきており、木材から板紙、繊維などを作る需要も伸びてきており資金調達も盛んに行われていること、5Gの電波塔を木材で作る実験や、大型のビルの木質化も行われ、林業の現場ではデジタル化も進行していること、などのお話がありました。

また、日本とフィンランドで、木造建築、木質系テキスタイル、バイオエネルギー、付加価値の高いバイオ炭製品、林業のデジタル化などの分野で連携できないか、特に日本の木造建築の継手に関しては、日フィンランドの事業連携の可能性を模索していることなどのお話がありました。

閉会の挨拶

長野県木材協同組合連合会 理事長
宮崎 正毅 氏

最後に、宮崎正毅理事長から、本会の全体を通じての総括と閉会のご挨拶をいただきました。 宮崎理事長からは、みどりのプロジェクト会員として発表いただいた千葉県いすみ市の森の再生プロジェクトいすみモデルの事例など示唆に富むものが多く、ぜひ国産材の未来を明るくするためにも、目先の利益にとらわれるのではなく「伐って使って植えて育てる」という循環を、多くの方々と連携しながら生み出していきたい、とのお話がありました。

同時開催

県産材製品 展示会 同時開催
(株)テオリアランバーテック/(株)山崎屋木工製作所/齋藤木材工業(株)/(株)第三木材/根羽村森林組合 /征矢野建材(株)/信州木材認証製品センター/日本みどりのプロジェクト推進協議会

2021.10.21

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