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信州の山岳リゾートからサステナブルツーリズムを発信
「Go Green プロジェクト in 長野〜世界に誇る山岳リゾートを目指して〜」を開催しました

「Go Green プロジェクト in 長野〜世界に誇る山岳リゾートを目指して〜」を開催しました
日 時
第一部:令和3年(2021年)10月23日(土)12:30~16:30
第二部:令和3年(2021年)10月23日(土)16:45~ 24日(日)終日
会 場
第一部:松本市 ホテルブエナビスタ
第二部:下記4つの国立国定公園
A:中部山岳国立公園(松本市・乗鞍)
B:妙高戸隠国立公園(信濃町・黒姫)
C:上信越高原国立公園(須坂市・菅平峰の原)
D:八ヶ岳中信高原国定公園(茅野市)
参加費
無料
対象者
観光関連事業者、行政職員、学生 他
参加実績
第1部:合計614名
現地 参加:164名(一般75名、学生89名)
オンライン:450名(一般74名、学生376名)

第1部

「日本みどりのプロジェクト推進協議会Go Greenプロジェクト長野シンポジウム サステナブル・ブランド国際会議2021 長野シンポジウム」

1.ご挨拶
・渡辺 高秀 氏(日本みどりのプロジェクト推進協議会実行委員長 長野県観光部長)

大勢の皆様に参加いただいたこと、開催にあたりご協力頂きました企業や団体の皆様に感謝を申し上げる。2日目には国立国定公園でのエクスペリエンスツアーも予定されている。コロナ下を経てより新しい経験や価値、サステナブルでレスポンシブルな体験が注目されてきている。2日間のプログラムを通じて学び楽しんで頂きたい、と挨拶した。

・鈴木 紳介 氏(Sustainable Brands Japan, Country Director)

今回信州松本の地でサステナブル国際会議が開催できたことを嬉しく思っている。
サステナブル・ブランドは、2006年に米国カリフォルニアで始まったサステナブルを推進するリーダーによるグローバルコミュニティであり、目的は環境や社会にイノベーションを起こし、新しい時代のビジネスとブランドの価値を実現すること、と紹介。結びに、当日のプログラムについて説明をした。

・岡野 隆宏 氏(環境省自然環境局国立公園課 国立公園利用推進室長)

本日盛大に今回のイベントが開催できることお祝いを申し上げる。今年の10月1日で国立公園の制度の全身である国立公園法の成立から10年が経過した。
これまで保護重視の政策が行われてきたが、環境省は現在、保護と利用の好循環を図る目的で満喫プロジェクトに取り組んでいるところ。
長野県は5つの国立公園、4つの国定公園を有している国内随一の山岳リゾ―ト地である。今回の取組みが国立公園の質の向上に繋がることを期待している、とご挨拶頂いた。

・臥雲 義尚 氏(松本市長)

若い世代をはじめ多くの参加者の皆様に松本の地に来て頂いたことに感謝申し上げる。
松本市は「山岳」「音楽」「学問」をブランドに据えた3ガク都の町づくりを推進している。松本は上高地・槍ヶ岳といった北アルプス、中部山岳国立公園という日本随一の国立公園も抱えており、観光、環境、人々の暮らしを魅力あるものにしていこうと取り組んでいる。
昨年12月には気候非常事態宣言、ゼロカーボンシティ宣言をしたころ。また、松本市の乗鞍高原は環境省のゼロカーボンパーク第1号に認定頂いた。明日のツアーで乗鞍高原の現実を見て頂き、貴重なご意見ご提言を頂きたい、と挨拶頂いた。

2.基調講演「選ばれ続けるために必要なこと」~自立&持続可能な地域経営~
・講演者:山田桂一郎氏(JTIC.SWISS代表)

マッターホルンの山麓の町、スイス・ツェルマット在住で、日本と行き来しながら、世界各地の観光・リゾート地におけるマーケティングやブランディングの活動を行っている。
持続可能な観光サービス産業の在り方を考えたとき、SDGsに取り組むのはもちろん、社会をよくするSIGs(Social Improvement Goals)にも力を入れた上で、地域の自律と住民の自律を前提とするべき。観光客に生涯にわたって何度も来てもらう“カスタマー・ライフ・バリュー(顧客生涯価値)”を生み出すためにも、「住んでよし、訪れてよし」の地域として、まずは住民の日常生活を本来の意味で豊かな、質が高いものにしていく必要があること等をお話し頂いた。

3.スペシャル対談「SDGs時代の地域づくり 長野×EVで見えてくること」
・対談者:阿部 守一 氏(長野県知事)、星野 朝子 氏(日産自動車㈱執行役副社長)
・ファシリテータ―:足立 直樹 氏(サステナブル・ブランド国際会議サステナビリティプロデューサー)

日本みどりのプロジェクト推進協議会会長も務める阿部長野県知事は、協議会及び長野県の取組みや、「長野県ゼロカーボン戦略」を策定した経緯を説明。
一方、日産自動車㈱の星野副社長は、100年に一度の大変革期を迎えている自動車業界にあたって、同社はCO 2を出さない移動を提供するゼロエミッションの技術と、死亡事故をゼロにするための自動運転の技術の二つを柱に取り組んできたことを説明。
両者は今年6月、「しあわせ信州の実現及びSDGsの達成に向けた包括連携協定」を締結。また阿部知事は、「長野の自然環境はスイスに決して劣らないと思っているが、課題はそうした観光地域づくりを進めるための仕組みが必ずしも十分ではないことだ」とした上で、「地域と一体となって本当に暮らしやすい、訪れる人を引きつける地域、環境に優しい視点を取り入れながら観光地域づくりを進めていきたい」と語った。

4.パネルディスカッション「国立・国定公園から広がる保護と利用の好循環」
・パネリスト:①中部山岳国立公園:セツマカリスター 氏(㈱マカリスター考務店代表取締役社長)
       ②妙高戸隠連山国立公園:大澤千絵 氏(しなの町Woods-Life Community事務局)
       ③上信越高原国立公園:田中健太 氏(筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所准教授)
       ④八ヶ岳中信高原国定公園:小池耕太郎 氏(㈱木葉社代表取締役)
・ファシリテータ―:森川政人 氏環境省中部山岳国立公園管理事務所 所長

シンポジウム後半では「国立・国定公園から広がる 保護と利用の好循環」と題したパネルディスカッションが行われた。長野県内には5つの国立公園と4つの国定公園があり、その中から4地域で観光や森林保護などの活動を行うメンバー4人が登壇。
各地域の取組みや課題について共有し、翌日のエクスペリエンスツアー参加学生への期待を寄せた。

5.総括
足立 直樹 氏(サステナブル・ブランド国際会議サステナビリティプロデューサー)

約3時間半のプログラムを振り返り、自然のリジェネレーション(再生)という持続可能な社会実現において重要なキーワードの視点からも非常に示唆の富んだものであった。自然が大切なのは異論がないが、それだけでは食べていけない。単にみどりを復活させるだけでなく、経済的に生活が成り立つことが重要である。
山田桂一郎氏からも、サステナブルは現状維持だけでよいのかという問いかけを頂いた。大切なのは今までの常識に捕らわれず、何を目指しているのか。案外知られていないが、SDGsでは、トランスフォーマティブチェンジ(変革)が重要であると言われている。必要なことは、形を変えてでも変革させなければならない。
これから皆様と一緒にアクションを起こしていきましょう、と結んだ。

シンポジウムの詳細は下記サステイナブルブランドジャパンのHPをご覧ください
https://www.sustainablebrands.jp/article/story/detail/1205349_1534.html

第2部

長野県国立・国定公園Experience Tour

①中部山岳国立公園(松本市) 
保護と利用の好循環 ゼロカーボンパークのサステナブルツアー

【環境への取組み】
2020年3月日本で最初にゼロカーボンパークに登録された乗鞍高原では、地域をあげて、カーボンニュートラルの実現に向けて、脱炭素に向けた取組が始まっています。

【ツアー】
本ツアーでは、乗鞍高原で現在実施しているサステナブルに関する取組、資源循環を意識した一ノ瀬の再生プロジェクトを実際に見聞し、また、ツアー全体を通して、最大限のゼロカーボンを追求。
さらに、乗鞍岳のライチョウ観察では、適正な「利用」により得た一部を「保護」に還元する、「保護と利用の好循環」の実践例を体験しました。

【アイディアソンでの主な意見】
・大学と連携して、白樺等、景観維持のために必要な木を伐採し、切り出した木でクラフト体験をするのはどうか。
・ホームページに必要な持ち物等を記載し、気軽に来ることができるよう手ぶらプランを設定してはどうか。
・「なぜ、木を切る必要があるのか」をきちんと説明したうえで、草原維持の過程で出た木でモノ(木製のフォトフレーム、スプーン、ペンケース等)・景色(活動の過程で撮影した景色を写真)を作るプログラムはどうか。
・EV車で来訪した方向けにツアー代金割引を実施してはどうか。 等


②妙高戸隠連山国立公園(信濃町)
自然の力を身近に感じよう~癒しのまちづくりから学ぶ~

【環境への取組み】
風光明媚な保養地として愛されてきた信濃町では、住民だけでなく、観光・保養に訪れる方が癒しを実感できる「癒しのまちづくり」を進めてきました。森林セラピーがもつ人々の心を癒す効果に早くから着目し、町独自の研修を実施、ガイドを育成する等、ツアーの磨き上げを行ってきました。しかし、一方で観光誘客に関して、特に若い世代にどのように森林セラピー等のプログラムの魅力を伝えていくのかが課題としてありました。

【ツアー】
本ツアーで森林セラピーを体験し、どのようにその魅力を発信していくかを考えました。

【アイディアソンでの主な意見】
・「親子で楽しめる長野遠足」のような、親子で長野に来てもらい自然を楽しめるツアーの企画を実施したらどうか。
・木々が予想以上にいい香りだったので、インスタ映えを意識した、「森=アロマ」のイメージ作りとして、フローラルウォーターなどをつくるのはどうか。
・若者には、「健康増進」というよりも「美肌」、「運動」等を前面にインフルエンサーで拡散していった方がよいのではないか。 等



③上信越高原国立公園(須坂市)
美しい草原を守るために~観光・ペンション経営の視点からのアプローチ~

【環境への取組み】
峰の原の美しい草原は紀元前の時代から、火入れや放牧等の活動により、長く維持されてきました。しかし、近代以降、草原の管理放棄や植林による森林化により、貴重な草原性植物は失われる危機に瀕しています。峰の原では観光開発のため、移住したペンション経営者の方々によって、観光誘致と並行して、笹刈り等、草原を守る活動が続けられ、草原が守られてきましたが、近年その担い手不足が深刻になっています。

【ツアー】
本ツアーでは、ツーリズムの力で峰の原の活動を観光の切り口で次世代に引き継いでいく方法を考えました。

【アイディアソンでの主な意見】
・すすき刈りに加え、EV車から供給した電気でライトアップするプログラムはどうか。
・テナント式でペンションを期間限定で貸し出してはどうか。
・季節毎に保護と利用の循環を意識したプログラムを設定したらどうか
(春:段ボールを使った大会&草刈り、夏:虫取り大会、お花巡り、草刈り
秋:紅葉巡り、草刈り、冬:スキー教室) 等



④八ヶ岳中信高原国定公園(茅野市)
森林との共生~自然の恵みに感謝し、自然を正しく畏れる~

【環境への取組み】
かつて森や里山が身近な存在だった茅野では、人々は森の木を薪にして、燃料として利用しながら、森林資源の保持・管理を行ってきました。しかし、ライフスタイルの変化に伴い、現在では森林の維持・管理を担う人々が減少、豊かな森林資源をどのように守っていくかが課題となっています。

【ツアー】
本ツアーで、植物の食害の原因となっていた鹿をジビエ料理として頂く取組や、ブッシュクラフト体験を通じた自然災害への備え等の取組を体験し、豊かな森林を守るため、ツーリズムの果たす役割について考えました。

【アイディアソンでの主な意見】
・環境についての知識量は人それぞれでばらつきもあるため、最初はアウトドアから始め、知識を深めるためにレベルアップした内容に進んでいくなどレベル別にツアー造成したらどうか。

2021.12.14

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