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植・食文化を基調とした“みどりでおもてなし文化”を大阪から世界に発信する
日本みどりのプロジェクト推進協議会「One Green プロジェクト」

「第2回 Green Hospitality Osaka シンポジウム」
を開催いたしました。

本シンポジウムは、(公財)大阪観光局と(一社)テラプロジェクトとが共同で2019年10月に創設した「みどりのイノベーション推進会議」をベースに、昨年10月に全国規模で設立された「日本みどりのプロジェクト推進協議会」が取り組む5つの主要プロジェクトの一つ「One Green プロジェクト」のメインシンポジウムとして開催しました。

日 時
令和3年11月19日(金)13:00~17:30
場 所
大阪富国生命ビル4階「テラプロジェクト・まちラボ」会場およびオンライン配信
内 容
基調講演、特別講演、One Greenプロジェクトのご提案、企業の活動事例発表とパネルディスカッション他
参加者
自治体、企業、大学・研究機関団体他160名(会場:56名、オンライン:104名)
後 援
近畿経済産業局、大阪府、大阪市、大阪商工会議所、智の木協会、(一財)大阪大学産業科学研究協会、(一財)大阪科学技術センター、(公財)都市活力研究所
スケジュール
総合司会:一般社団法人 テラプロジェクト 滝本 裕次 氏

<第一部>
1.挨拶(来賓挨拶含む):13:00~13:30
・主催者挨拶:公益財団法人 大阪観光局 理事長 溝畑 宏 氏
・ご来賓挨拶:大阪市 経済戦略局 理事 藤巻 幸嗣 氏
・趣旨説明:一般社団法人 テラプロジェクト 理事長 小林 昭雄 氏

2.基調講演:13:30~14:00
・テーマ:子どもたちと地域の未来を考える 花 と 緑 のまちづくりの推進
~自治体連携で日本の魅力ある都市創りを進める~
・講 師:桂川 孝裕 氏(亀岡市長)
「子どもたちと地域の未来を考える花と緑のまちづくり」全国首長会:事務局長

3. 特別講演:14:00~14:30
・テーマ:「花と緑の感動創造企業から地球環境企業へ
      ~生活者コミュニティアプリとDXによる花と緑に溢れたまちづくり戦略について~」
・講 師:株式会社 日比谷花壇 代表取締役 宮嶋 浩彰 氏

<第二部>
4.「One Green プロジェクト」のご提案:14:30~15:00
・挨拶(進行):一般社団法人 テラプロジェクト 理事長 小林 昭雄 氏
・(一社)テラプロジェクトが提案する“One Green プロジェクト
 ①テーマ:「みどりの回廊づくり」
 発表者:一般社団法人 テラプロジェクト 専務理事 峯平 慎哉 氏
 ②テーマ:「智の木の森づくり」
 発表者:智の木協会 理事長 寺谷 誠一郎 氏(前鳥取県智頭町長)
 ③テーマ「Green Hospitality Osaka ガイドブック」
 発表者:大阪府立大学大学院 准教授 岡澤 敦司 氏

5.One Green提案ならびに取り組み事例発表:15:00~16:15
 ①テーマ:「OSAKA MIDORI LIFE の実践 “うめきた2期公園”」
 講 師:阪急阪神不動産 株式会社 取締役 開発事業本部 副本部長 谷口 丹彦 氏
 ②テーマ:「難波のまちにも花とみどりのおもてなしを~2025大阪関西万博を目指して~」
 講 師:南海電気鉄道 株式会社 まち共創本部 グレーターなんば創造部 課長 寺内 雅晃 氏
 ③テーマ:「エリマネで進化するサスティナブルな緑のまちづくり
 ~御堂筋まちづくりネットワーク~」
 講 師:大阪ガス 株式会社 エナジーソリューション事業部 部長 三好 正人 氏
 ④テーマ:「事業活動を通じたサステナビリティの実現に向けて
 ~持続可能な地域社会の発展に貢献するために~」
 講 師:日本たばこ産業 株式会社 関西リレーション推進部 課長 田上 阿樹人 氏
 ⑤テーマ:「人生100年時代を素敵に生きる~グッドフィーリング(顧客満足)の思想~」
 講 師:日本ロングライフ 株式会社 ラビアンローズ緑地公園 支配人 遠藤 真理子 氏

6.パネルディスカッション
・テーマ:「“みどり溢れるGreen Hospitality Osaka”実現に向けて」
~大阪市内都心部における「花と緑を活かしたエリアマネジメント」の実践~
・パネラー:大阪市(経済戦略局 観光部長 花澤隆博 氏)
大阪ガス株式会社(エナジーソリューション事業部 部長 三好正人 氏)
南海電気鉄道株式会社(まち共創本部グレーターなんば創造部 課長 寺内雅晃 氏)
・コーディネーター:植松宏之 氏 (流通科学大学 経済学部 教授/
全国エリアマネジメントネットワーク副会長)

7.閉会挨拶:17:25~17:30
・公益財団法人大阪観光局 観光コンテンツ開発担当部長 砂野 智司 氏

■主催者挨拶 Ⅰ:
公益財団法人 大阪観光局 理事長 溝畑 宏 氏(日本みどりのプロジェクト推進協議会副会長)

溝畑理事長は、昨年10月に発足した日本みどりのプロジェクト推進協議会の5つのプロジェクトについて紹介した。まず2025年大阪万博については、日本国際博覧会協会が現在進めている計画に加え、日本の美しい里山の風景を再現したいと考えている。また、建物の木質化とリユースを促進させるGreen Recoveryプロジェクト、コロナの影響で、各種セラピー、トレイルラン、フィッシング、昆虫等を好む人々に対するみどりと花を中心としたモノからコトへのGo Greenマーケットの市場は非常に大きい。

そしてOne Greenプロジェクトは、身近なみどりづくりとして、全ての国民が取り組む事の重要性について触れられた。さらに2030年のSDGs目標達成に向けて、日本の原点である里山と美しい木、花を守り育てていく事が2025年万博以降の日本の示すメッセージであるとし、当推進協議会は目標とプラットフォームをしっかり示して、そのエンジンとなって様々な活動を皆さんと一緒に進めていきたいと語った。

■ご来賓挨拶:
大阪市 経済戦略局 理事 藤巻 幸嗣 氏

藤巻理事は、昨年来続く新型コロナウィルスの影響で、インバウンドの減少により観光業は非常に大きな影響を受けている。新たな生活様式の中で、消費行動、働き方が変化していく中で観光分野においてもマイクロツーリズム、アウトドア志向、ワーケーションを目的とした旅の長期化等旅行者のニーズが変化している。それらの潮流を捉えた施策が求められている中で、大阪府、大阪市では、大阪都市魅力創造戦略2025を策定し、あらゆるステークホルダーの方々と共に、大阪のもつ豊かな歴史文化や人々の多様な魅力、都市のポテンシャルを生かしてチャレンジし続けること

により、大阪を元気にし、世界に誇れる都市を目指す試みは重要であり、来阪外国者数として、コロナ以前のインバウンド需要11,525,000人を目標に掲げている。「日本みどりのプロジェクト推進協議会」および「みどりのイノベーション推進会議」は、個々の多様な意見をみどりのプロジェクトとして進める産官学のプラットフォームであると聞いている。行政だけではなく、皆さんともに進めていけるベースを作って頂いているもので大変ありがたく思っている。大都市の大阪でみどりがどんな役割を果たせるか?素朴な疑問をもっていたが、森や公園でなくても、家庭や企業でOne Greenを始め,道路沿いにも何気に緑が増えていく、そういった活動がまち全体に広がれば、大阪だけでなく、全国に広がることで、みどりの活動が全国的に進んでいくのではないかと思う。また大阪での“みどりのおもてなし文化の推進”は、インバウンドの皆さまに、大阪に対して素敵な印象をもって帰って頂けると思う。是非大都市の大阪ならではの“みどりのおもてなし”を実践して頂き、全国に広がる活動になればと思う。大阪市も本シンポジウムを契機に“みどりでおもてなし”の磨き上げと大阪観光の振興に取り組んでいきたいと語った。

■趣旨説明:
一般社団法人 テラプロジェクト 理事長 小林 昭雄 氏(大阪大学名誉教授)

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小林理事長は、大阪では「おもろい」「儲かる」でないと物事が進んでいかない。みどり×産業=どんな答えがでるか?という考え方で、様々な産業が活用できるプラットフォームが必要になっている。地球温暖化、少子高齢化等の直面する問題にポジティブに取り組むためには、「みどり」が切り札となる。21世紀は、Green Goldの時代。みどりが金に値する時代であり、自然遺産を生かして、SDGsを目指す社会構築の重要性を意識づける時が来た。2020年10月に旗揚げした「日本みどりのプロジェクト推進協議会」は長野県知事阿部会長の下、産学官連携活動を全国展開している。弊社団は事務局を担いMIDORI Business 展開を牽引すると共に従来からの「One Green Project」を進め、智の木協会とは「智の木の森」づくりで協力している。
「植・食、健康」関連事業支援を志す弊社団は8月に「第2回日本みどりのプロジェクト推進協議会/シンポジウム」を開催した。中小企業各社とは「やってみなはれ勉強会」を毎月実施している。「MIDORI X Your Business」 から新しい業態を考える機会づくりを提案している。10月に実施した梅田あるくフェスでは、イベントを祭りに育てるべく「あるくこと」をテーマとしたまちづくりプロジェクトを梅田エリアマネジメントと共に進めている。 本日は、産学官それぞれの立場から情報を共有して頂き、Green Hospitality Osakaの実現に向けて、共に活動していきたいと思うと述べた。

■2.基調講演:13:30~14:00

・テーマ:子どもたちと地域の未来を考える 花 と 緑 のまちづくりの推進
~自治体連携で日本の魅力ある都市創りを進める~
・講 師:桂川 孝裕 氏(亀岡市長)
「子どもたちと地域の未来を考える花と緑のまちづくり」全国首長会:事務局長

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桂川市長は、基調講演で、「子どもたちと地域の未来を考える花と緑のまちづくり」全国首長会をご自身でスタートさせ、全国112の自治体が参加し、花や緑、自然を大切にして特徴ある街づくりを進めていると話し、大阪、東京のような大都市ではみどりが必要不可欠と認識されいろいろな展開があるが、地方都市においては、自然が沢山あり、子供たちの虐待、教育、福祉といった厳しい課題がある中で、花と緑は、どちらかというと豊かな問題で、なかなか言いづらい面があるが、各自治体と情報ネットワークを構築しながら、地方都市ががんばることで、花と緑によるおもてなしを含めて実現することで、美しい日本を実現していくことが出来ると思っていると語り、亀岡市が取り組んでいる下記①②の事例を中心に紹介した。

①亀岡まるごとガーデンミュージアム構想
②SDGs未来都市」かめおか霧の芸術祭 × X(エックス)

基調講演の最後に、桂川市長は、やはり行政が頑張ることで、民間がついてきて下さる。そのために、首長がしっかり政策を位置づけ自治体の予算で実行してこそ、さらに国が花や緑に関する予算措置を頂くこと、そして、その仕組み作りに向かって、全国首長会は、民間団体10,000名との連携をもちながら、動き出している。今年から、日本みどりのプロジェクト推進協議会に加盟し、さらに多くの連携を取りながら、産業界と連携し、花と緑のまちづくりを進めていく事が重要で、2022年5月に熊本市で開催予定の令和4年度総会では、日本みどりのプロジェクト推進協議会の内容も紹介してもらいたいと語った。まちの魅力をつくるために、キーワードは、環境、自然で、その象徴が花や緑であり、これからの美しい日本作りが進むと思っている。地方からこの波を作っていく事が国を変えてくことだと思っており、花と緑行政を地方が推進していくことが重要と考えている。民間企業様から技術提案等お声かけ頂ければ参加自治体で受け入れられると考えていると語った。

■3. 特別講演:14:00~14:30

テーマ:「花と緑の感動創造企業から地球環境企業へ
      ~生活者コミュニティアプリとDXによる花と緑に溢れたまちづくり戦略について~」
講 師:株式会社 日比谷花壇 代表取締役 宮嶋 浩彰 氏

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宮嶋社長は、特別講演で下記2つのプロジェクトについて紹介した。
① 生活者コミュニティアプリ「ハナノヒアプリ=ファン作りのための新たな施策」について
・お花の定額制サービスを導入している。今後は、SNSへの投稿により価値を拡散していく。ハナノヒBe(アプリ)は、お花の定額制アプリに観光資源の投稿機能を追加していていきたいと考えている。
・寄付アプリは、食店舗を利用した社会貢献型事業→共感から生まれるファンコミュニティー作り→消費者とつくる社会貢献事業→OSUSOアプリ「おすそわけ×寄付」の導入を進めている。
・Hibiyakadan.comは、ギフト販売中心から投稿機能の強化を行い、ポイント還元等のインセンティブによりファンがファンを連れてくる仕組みづくりを行っている。
・今後は、アプリエンジンを中心にモール化したいと考えている。
ビジネスモデルとして、人と緑が共演する次世代環境(地域資産と観光資産)構築の取り組みについて、都市樹木が抱える問題、気候変動の影響、害虫による課題をICTを活用し課題解決を行うスキームを考えている。

② DXによる花と緑にあふれた街づくり戦略について(地域創成事業ビジョン)
市民参加による花と緑あふれる街づくり
「みどりの価値」の見える化→千葉大学と共同研究でデータ化
市民参加できるアプリ開発→社会課題の解決へ
将来的に市民の投稿により地域のみどり資産をマッピングするアプリ開発を発表した。→マネタイズが課題

最後に、まちに花と緑が溢れ、その価値が市民に見えて、市民参画によって価値が高まるまちづくりを行うサイクルを作っていけたらと語った。

■4.「One Green プロジェクト」のご提案:14:30~15:00
挨拶(進行):一般社団法人 テラプロジェク 理事長 小林 昭雄 氏

小林理事長は、一般社団法人テラプロジェクトは2011年4月スタート以来「植・食、健康」をキーワードに産官学が知恵を出し合って社会実装を推進している。みどりの活動について、One Greenプロジェクトは、1人1本樹を植えていけば世界人口80億人として80億本の緑化が出来る。そういう考え方を通じて、行っている活動の中から、本日は、3つの事例を紹介する。本日ご参加いただいている皆さまと情報共有することで、一緒に社会課題を考え社会実装に取り組んでいければと語った。

①テーマ:「みどりの回廊づくり」
発表者:一般社団法人 テラプロジェクト 専務理事 峯平 慎哉 氏

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峯平専務理事は、One Greenプロジェクトの中の1つ「みどりの回廊作り」について、みどりによるQuality of Lifeの向上をテーマに、都市緑化と地域経済貢献の両輪を意識した活動について、大阪・梅田での取り組みと社会実装から生まれてきた新しいニーズについて発表した。「みどりの回廊作り」による都市緑化においては、連続性、継続性、経済性を意識した取り組みを行っており、連続性については、行ってみたい、歩いてみたい回廊作りを意識している。継続性については、植栽を設置して終わりではなく、ウォーキングや健康サポートイベント、親子で参加できる植育イベントを実施することで、活動費を捻出する取り組みを行っている。これらの活動を参考に大阪府泉大津市では、年に1度みどりのお祭り「松ノ浜グリーンフェス」を実施して、イベントと共に地域緑化を推進している。継続性については、企業と地域貢献型の商品づくりを平行して行うことで、活動費の捻出と地域貢献を行う事例を今後も多く作っていきたい。経済性については、地域に喜ばれる取組になるには、消費に貢献するような緑化を行うことを意識しながら、地域産業の活性化や雇用の創出につながるような取組にしたいと話し、レモンの樹による回廊作りを紹介した。各地でのみどりの回廊作りについて研究会への参加を呼び掛けた。また、これまでの社会実装の中から生まれたニーズについては、都市緑化の場合、水やり、選定作業等のメンテナンスに人と費用が掛かるため、大阪大学での画像解析技術を用いた植物の活力判定技術の開発を紹介し、都市型植栽管理研究会への参加も呼び掛けた。

②テーマ:「智の木の森づくり」
発表者:智の木協会 理事長 寺谷 誠一郎 氏(前鳥取県智頭町長)

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寺谷理事長は、鳥取県智頭町は、93%が山で、戦後は裕福な町だった。1本樹を切ると1ヶ月生活できた。ところが、今は80年生の樹を切っても、1本で大根2、3本しか買えない。これでは林業がなりたたない。もう一度、山の価値を考えたい。これまでは、杉や檜が価値があると考えられてきたが、ブナについて今一度考えたい。ブナは、深く根をはり、枝がひろがり、綺麗な水と空気を提供してくれる。日々の生活の中で、山に感謝している人は少ないと思うが、今一度、生き様を考える必要がある。智頭町長時代に、東京からの移住者が森の幼稚園を作りたいと言ってきた。山に子供たちをつれていって遊ばせるだけ。ケガするリスクがあるが、大丈夫だろうということで、スタートした所、全国から森の幼稚園に参加させたい親子の移住が始まった。森には教育的な価値があると語り、27歳の時に生い茂った森を整理して、山菜料理を提供する庵付きの、自然と憩いをテーマにしたエリア(みたき園)を50年かけて作って来た。そのエリアは、やがてミシュランガイドにも掲載され国内外の旅行者の受け皿となった。
私達全ての生活は、もう一度原点に返ってみたいと思う。コロナは原点に戻す警告ではないかと思う。山があれば、綺麗な水と空気をありがとうと感謝したい。一人一人が智の木協会のイズムを受け継いで、地域の皆さまのボランティア(大木の根っこのような存在)があるからこそ、社会が成り立っていることをもう一度思い起こすべきだと語った。

③テーマ「Green Hospitality Osaka ガイドブック」
発表者:大阪府立大学大学院 准教授 岡澤 敦司 氏

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岡澤先生は、みどりのおもてなしについては、いかに持続的におもてなしを提供するか?究極的には、人も植物も生態系全てが健全に回っていく環境を整えていくことが、SDGsやゼロカーボン社会にもつながっていくとし、みどりを継続的にメンテナンスし続ける事と、おもてなしを可視化することが今後の課題の一つで、人と植物の相利的環境を構築する方法としてスマート農業(IoT、AI、センシング、ドローンなど)の研究が進んでいる中で、室内緑化においても、センシング等の技術を応用して、植物に快適な空間をつくる事と、都市部の緑化も点から面で作っていく事が可能と考える中で、心地よさの定量化のための指標作りを進めていきながら、みどりでおもてなしガイドブックに活用できるように取り組んで行きたい。そして将来的にみどりのおもてなしの可視化により食住産業の活性化・創出、観光業界へ貢献したいと語り、みどりでおもてなしガイドブック研究会への参加を呼び掛けた。

5.One Green提案ならびに取り組み事例発表:15:00~16:15

①テーマ:「OSAKA MIDORI LIFE の実践 “うめきた2期公園”」
講 師:阪急阪神不動産 株式会社 取締役 開発本部 副本部長 谷口 丹彦 氏

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谷口開発副本部長は、うめきた2期のみどりのまちづくり(公園)について、下記①②の取組について発表した。
①公園が主役となるまちづくりについて
うめきた2期は、9haの開発のうち、市民の資産として4.5haの公園ができる。計画コンセプトは、「Osaka MIDORI LIFE」の創造。QOL向上のために緑を中心とした、まちづくりを行う。未来にむけた、人間とみどりの関係性を構築して、みどり的な生活を提案し、さらにその潮流が地域に波及するような「MIDORI」作りを行っていきたいと語った。
②うめきた2期の先行実験場「うめきた外庭SQUARE」について
うめきた外庭SQUAREは、約2300平米のポケットパークを使って、芝等の植物を含めてどれだけの管理が必要かを事前に検証を行っている。さらに公園を活用したマネタイズ、地域の方々とのコミュニティづくり等、オープン空間をみどりのリビングラボとして位置づけ、トライアルを行っている。これまで500日ほどトライアルをやってみて、地域コミュニティの方々が自ら公園の利用方法を考えて活用して頂いている。今後もWell-being Daysとしてみどり×さまざまな業種のコンテンツを提供しながらトライアルを行う予定であると語った。

②テーマ:「難波のまちにも花とみどりのおもてなしを~2025大阪関西万博を目指して~」
講 師:南海電気鉄道 株式会社 まち共創本部 グレーターなんば創造部 課長 寺内 雅晃 氏

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寺内課長は、下記①②③について皆さんと共有したいと述べ、下記について発表した。
① 花みどりを感じる空間スケールのバリエーションは選択肢が多い方がよい
② ワーカー世代にとっては一日の大半の時間を過ごすのは都心
③ 難波のまちの中に花みどりを感じる空間づくりへの挑戦
難波エリアはコンクリートジャングルの印象が強く、都心の中で、どれだけの花とみどりの空間を作れるかを考えている。なんばパークスについては、オフィスワーカーの方々に提供できるみどりとして森を作って来た。今後は、南海沿線は一次産業が多い地域という特徴を踏まえ、南海なんば花マルシェに代表されるような、花とみどりを都心のいろいろな空間で提供する取組みの推進、そして、実現に向けた課題に挑戦していきたい。そのような取り組みが選ばれるまち、選ばれる都心につながると考えている。
現在難波地区では、新しい広場づくりにチャレンジしている。なんば駅前広場(現タクシープール、利用台数1万台/日)を人中心の空間、人と人との出会いを空間として作る取り組みを進めている。この広場でどんな花と緑に触れる空間がつくれるかが課題。こういう広場作りが南海の取り組むOne Greenプロジェクトと考えて進めていきたいと語った。

③テーマ:「エリマネで進化するサスティナブルな緑のまちづくり~御堂筋まちづくりネットワーク~」
講 師:大阪ガス 株式会社 エナジーソリューション事業部 部長 三好 正人 氏

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三好部長は、エリアマネジメントとサスティナブルをキーワードに御堂筋まちづくりネットワーク(御堂ネット)の活動を事例として紹介した。 エリアマネジメントは、民間が主体となって街づくりを行っていく活動。現在では大きな公共、から小さな公共づくりがいろいろな地域で行われており、東京、札幌、大阪・梅田、難波、御堂筋各地域でエリマネがある。海外では治安、清掃活動を税金を利用して行うなど、エリアマネジメント活動の先行事例がある。御堂ネットは、上質なにぎわいと風格あるビジネスエリアとして発展することを目的としている。緑化の取り組みとしては、彫刻を彩るコンテナガーデンを大阪市の80周年事業として計画しエリアマネジメントが実施している。本取組は、会員企業が季節により植え替え作業を行っており、2020年度環境大臣表彰した。平野町街園の再整備では、緑空間の新しいモデルづくりを行っており、大阪府立大学の増田名誉教授のアドバイスやシカゴ、ニューヨークの取り組みを参考にしている。御堂筋エリアは、これまでのビジネス街に路面店が増えてきており、エリアの雰囲気が変わってきている、そうした環境の変化に対してもみどりの専門企業の協力の下で活動を継続していきたいと語った。

④テーマ:「事業活動を通じたサステナビリティの実現に向けて~持続可能な地域社会の発展に貢献するために~」
講 師:日本たばこ産業 株式会社 関西リレーション推進部 課長 田上 阿樹人 氏

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田上課長は、JTグループのサスティナブル戦略について、人財への投資~地域社会への貢献~として、SDGs17番マルチステークホルダー・パートナーシップ推進を基本として、10格差是正、11災害分野、15環境保全の3つの領域をコミュニティインベストメントの重点領域として位置づけて、多様な方々と協力してすすめている活動を紹介した。
・Rethink プロジェクトは、これまでの価値観を再度考えて、さらなる発展を目指すもの。6つの施策と地域の特徴にあわせた様々なエリア独自の施策により構成している。
・環境保全の取り組み「ひろえば町が好きになる運動」については、JTの森は、2005年から全国各地で実施している森づくりに必要な手入れを支援する活動を継続し、春と秋に従業員ボランティアが地域の方々と森林整備を行う「森づくりの日」を実施している。
・大阪支社の活動では、和歌山県田辺市(世界遺産として有名な熊野古道を有している)で、2005年から10年間で約18万本を植樹し広葉樹と針葉樹の混合林作りを目指し手入れを行ってきた。
JTの森について、たばこは、自然の恵みによって支えられていることから、今後も自然環境を大切にしていきたいと考えている。全国9か所にある森ではことなるテーマ設定を行っている。これまでのCSR社会貢献について課題解決と事業貢献について再設定している。間伐材の活用による地元の企業との協業によるアップサイクルし、地域に還元する取り組みをおこなっている。
・JTのありたい姿は、CSRにとどまらない新しい地域貢献を目指している。現地現場での取り組み方には地元の魅力のPR不足やビジネスにつながる仕組みが不足するなど、現地の取り組みがバラバラになっているなどの課題を抱えている。今後は、日本みどりのプロジェクト推進協議会と連携し、これまで以上に多くのパートナーと手を組むことで、これらの課題を解決できるのではないかと考えている。みどりでおもてなし文化を社会に根差すというゴールを設定し、CSRにとどまらない新しい地域貢献をしたいと考えていると語った。

⑤テーマ:「人生100年時代を素敵に生きる~グッドフィーリング(顧客満足)の思想~」
講 師:日本ロングライフ 株式会社 ラビアンローズ緑地公園 支配人 遠藤 真理子 氏

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遠藤支配人は、ロングライフグループは、世界中をHappyに!世界中をSmileに!をミッションに、CSVとSDGs、そしてHealth&Natural Beauty をテーマに、時代の変化とお客様のニーズに合わせて未来のライフスタイルを創造し続けたいとおもう。インドネシアに介護福祉士の、AI共同研究をスタート、人生100年時代を素敵に生きる、健康寿命に着目し、事業を進めている。ロングライフグループのGreen Hospitality 活動は、社内に開発チームを設け、建築家、設計士、造園家などの専門家と徹底的にミーティングを行い、介護施設では館内にみどりの空間をつくり、小川の音や小鳥のせせらぎが聞こえ五感を刺激する空間づくりにつとめている。世代を超えてのコミュニティづくりや地域とのつながりづくりにも取り組んでいる。業界を超えて、理想のセカンドライフを創造し続けたいと語った。

6.パネルディスカッション:16:20~17:25

テーマ:「“みどり溢れるGreen Hospitality Osaka”実現に向けて」
     ~大阪市内都心部における「花と緑を活かしたエリアマネジメント」の実践~
パネラー:大阪市 経済戦略局 観光部長 花澤 隆博 氏
大阪ガス 株式会社 エナジーソリューション事業部 部長 三好 正人 氏
南海電気鉄道 株式会社 まち共創本部グレーターなんば創造部 課長 寺内 雅晃 氏
コーディネーター:全国エリアマネジメントネットワーク副会長/流通科学大学 経済学部 教授 植松 宏之 氏

発表資料はこちら
  • コーディネーター 全国エリアマネジメントネットワーク副会長
    流通科学大学 経済学部 教授
    植松 宏之 氏

  • パネラー 大阪市経済戦略局
    観光部長
    花澤 隆博 氏

  • パネラー 大阪ガス株式会社
    エナジーソリューション事業部
    部長 三好 正人 氏

  • パネラー 南海電気鉄道株式会社
    まち共創本部グレーターなんば創造部
    課長 寺内 雅晃 氏

【大阪ガス】発表資料はこちら 【大阪市経済戦略局】発表資料はこちら

植松先生:都心部におけるエリアマネジメントについては、立地している企業を中心に、地域の人々と良い関係を築きながら活動を行うことで社会関係資本を築いていく。このようなエリアマネジメントおこなっている。


大阪市の取り組みについて発表をお願いします。

花澤部長:大阪市の都市魅力創造戦略2025について、魅力共創都市・大阪を民間の皆さまとともに進めていき、民間の儲けと行政需要を満たすような課題解決を掲げている。観光部長として、民間から観光的提案があった場合に、各部局と調整する役割をはたしたいと考えている。本シンポジウムのような取り組みは非常にありがたいと考えている。そして、将来的に国内外からの旅行者を温かく迎えられる取組みになればと思う。

植松先生:花澤部長には10年来エリマネ活動を側面から支援して頂いている。どうしても公共空間を利用しようと思うと規制があり、この問題は、全国どの地域も一緒、海外でも一緒の課題を抱えている。

2025年大阪万博でエリマネではどうおもてなしをするか、御堂筋はどう考えているか?

三好部長:御堂筋は、すべて歩道化する将来ビジョンが示されている。それにむかって、側道の歩道化が南から進んでいる。御堂ネットでは歩道にどんな緑地帯を作っていくかがエリマネの課題と考えている。2017年からパークレット社会実験を行い、検証しながら計画を進めていく予定にしている。
グランドレベルを一つの空間として表現していく取組については、シカゴの“魅惑の1マイル”などを参考に検討している。御堂ネットは、緑地帯の管理、運営をしつつ、企業収益を確保しながらエリア活動をしていこうとしている。

植松先生:これは世界の潮流。パリのシャンゼリゼ道路しかり、幹線道路を人中心に変えていく。そうなれば世界中の人々が約4キロの御堂筋を楽しむ事ができ、歩行を楽しむ大きな地域が出来上がると期待している。

次に難波については?

寺内課長:今までできなかったことを、誰と実現していくのかという視点からみどり作りを行っていきたいと考えている。

植松先生:難波も関空からの玄関口として変化していく。大変楽しみにしている。先ほど、大阪市から共創によるまちづくりを官民連携しながらすすめていくという話があったが、財源をいかに確保するか、規制をどうするか、人材育成をどうするか?という課題がある。行政は財政難。エリアマネジメント(全国)は企業会費により活動しているがコロナで財源が減っている。そうなると地域に愛着のある市民と企業が主体的に活動できる仕組みを作っていかないといけない。

財源と規制緩和について、ご提案頂きたい。

三好部長:今の財源は企業会費、プラス広告事業が大きい。街路灯にバナーフラッグをつけていくことをしているが、景観的に広告に厳しい地域ではあるので、マネタイズしにくい現状。

植松先生:確かに現場に行くと違法に設置された看板などが沢山あるが、許可を取ろうと思うとダメだといわれている。

三好部長:エリマネ団体が行政からの信頼を勝ち取っていかないといけないのかなと思う。

寺内課長:街中でのイベントでは、警察等に計画図面を出してくださいと言われるが、細かい図面を要求される中で協議をしている間に、計画が変わってくるケースがあり、一つ一つ許可を取っていくのは大変。各エリアで信頼ある団体は使用してよいとしていただけるとありがたい。それは現状の道路使用では難しいが河川は出来ている。エリアごとに管理団体が出来てくるとよい。

植松先生:広告収入はエリマネには大きな財源。

寺内課長:固定収入をどうやって増やすのか?イベントは不安定。法制度の改正を含めて難波でしっかり議論していきたい。

植松先生:三好部長の発表で、全国エリアマネジメントの紹介があったが、札幌のエリマネでは、札幌市は3%出資し、地下道の指定管理をおこなっている。

三好部長:公共空間をカフェに転貸する等、将来御堂筋でも実現していきたい。緑地の整備、維持をする団体は、道路上での収益事業を許す、さらに道路使用料を免除するなど、将来的に固定収入を確保していく取組を形にしていきたい。

植松先生:梅田でエリマネをしているが、公共空間を使おうと思うと、警察のご理解や現金の授受ができないなどの規制があるが、みどりの取り組み等、場合により規制緩和を求めていきたい。大阪市は、ふるさと納税の対象分野に「花とみどりの街づくり」などがあるので、行政と相談しながら、財源を確保する仕組みを考えていきたい。

花澤部長:財源確保は、規制緩和をしていかないと難しい。規制は理由があって規制しているが、一方で観光部門では都市の魅力をアップしていかなければならないという目的があるので、行政と企業の目的が合致する内容を各部局にぶつけていく事で、規制緩和が進むと考えられる。実証実験を行いながら、担当部局に翻訳しながら、財源確保、規制緩和という課題に寄り添いたいと考えている。

植松先生:御堂筋の道路ダイエット。京都や三ノ宮も社会実験をしながら進められている。

次に人材育成について

植松先生:企業によっては、エリマネ活動をしても、会社の収益に貢献していないという声がある。地域のブランド価値が高まったといっても金額に変えられない活動は、企業には分かりにくい。人・モノ・カネを投下しても企業収益へのフィードバックは得られにくく、全国のエリマネがかかえる問題となっている。行政・企業組織として街への愛着などの意識改革をしていかなければならない。どう考えますか?

三好部長:御堂筋は、大企業が中心のエリアで、3年に1度転勤をする。たとえば、エリマネの基本活動である一斉清掃などは400名ほどが集まり、掃除する場所がないくらいになっている。しかしそれ以上の活動となると人員の確保が難しくなっている。その活動がその会社にプラスとなることを上層部の方々に理解してもらい意識を変えていく事が大切。

寺谷課長:これは永遠のテーマと思う。難波での人材育成は、街づくりと都市開発では地域の理解が必要で、行政と企業の考え方の違いについて立場交換の法則を理解できる人材をいかにつくるかという課題があり、若手人材は、説明しきる能力、いいことをやっていても会社にどう評価されるのかが、中長期目標をふくめて、説明しきる能力をもった人材がエリマネ団体には必要と考える。

花澤部長:小さな団体・企業は同じ人が10年やっているが、大きな団体・企業だと人が変わっている場合が多い。それは行政にも言えること。人事異動をなくすのは難しいが、担当部局への橋渡しを組織として継続できるように整えたいと考えている。

植松先生:今回、北から南までエリマネの活動が一気通貫できるような機会を得られた。

このネットワークをどう活かしていったらよいか?

寺内課長:是非こういう場を定期的に持って頂き、若手も含めて共有させて頂ければと思う。

三好部長:街づくりは官民連携が必須。行政のご支援を引き続き賜りたい。

花澤部長:この機会はありがたい。生の声はありがたく、こういった機会に引き続き参加させて頂きたい。

植松先生:最後に都心のエリアでは、民間主導で、地域価値を高める活動を行いながら、行政に寄り添っていただく形で、社会に訴求していく。北と南と御堂筋の企業がタスクチームを組んで、みどりについてテラプロジェクトを中心に考えていく。「(仮称)Think MIDORI」という活動を進めていけたらと思う。関西が持っている大学のサイエンスを世界に表現していきたい。みどりとイノベーションを掛け合わせて2025年に向けて世界にPRしてくことができるのではないかと思う。

■閉会の挨拶
公益財団法人大阪観光局 観光コンテンツ開発担当部長 砂野 智司 氏

砂野部長は、本日は、産学官の取り組みを発表して頂き、知ることの重要性を再認識した。知ることからビジネスチャンスが生まれ、みどりがビジネスになるということ、こんなに良い取り組みを一般の人々にも、もっと知ってもらいたいと思った。日本みどりのプロジェクト推進協議会は、その努力をもっとすべきだと感じた。引き続き皆様のご支援を得ながら、活動を推進していきたいと思うと挨拶し、感謝の意を述べた。

2022.02.08

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