BLOG

地域づくりニュース Vol.13

日本みどりのプロジェクト推進協議会 会員及び関係者の皆様へ 

こちらの記事は、みどりのプロジェクト推進協議会(https://midori-project.jp/)の会員及び関係者の皆様向けにお届けしています。   
 
こんにちは、みどりのプロジェクト推進協議会事務局を構成しているナショナルパークスジャパン代表の山内絢人です。  
                
こちらの記事では、会員の皆様に役立ちそうな地域レベルからグローバルレベルの情報や、みどりのプロジェクトに関する最新の話題を定期的に提供させていただきますのでよろしくお願いします。

<事務局から会員の皆様へ>


[目次]
① 【結果報告】宮田高原(中央アルプス国定公園)及び聖湖周辺(聖山高原県立公園)におけるサウンディング型市場調査の結果概要が発表のご報告

② 【ご紹介】株式会社Pioneerwork(パイオニアワーク)様(みどりのプロジェクト会員企業)取り組み等の自己紹介




① 【結果報告】宮田高原(中央アルプス国定公園)及び聖湖周辺(聖山高原県立公園)におけるサウンディング型市場調査の結果概要が長野県より発表されました

今年度日本みどりのプロジェクトNational Park プロジェクト部会としても協力して行った、長野県の国定公園等におけるサウンディング型市場調査の結果が公表されましたので、お知らせします。

長野県環境部は、自然公園の利活用を図り、多くの皆様に自然とのふれあいを楽しんでいただくため、宮田高原と聖湖周辺を対象として、民間事業者の皆様から自然公園の利活用に関する提案を幅広く募集した「サウンディング型市場調査」の結果概要を3月15日付で公表しました。

長野県としては、今回の調査結果をもとにしながら、地元市町村や関係団体等と連携して当該公園の利活用を更に検討していくとのことです。

なお、日本みどりのプロジェクトNational Parkプロジェクト部会としても、昨年8月5日(木)・6日(金)の二日間にわたり、「中央アルプス国定公園(宮田高原)の利用推進に係る勉強会」を長野県宮田村の現地及びオンラインでのハイブリッド方式にて実施したところで、本勉強会の結果も、今回の調査結果において、例えば「貸切バックカントリースキーの実施」といった提案の形で反映されており、素晴らしい場所・景観を持つ宮田高原の場所としての価値の向上のための必要な提言を行うことができたものと考えています。

今後、具体的な利活用のフェイズでの民間活力活用についてもご関心ある会員企業様がいらっしゃれば、ご連絡をいただけますと幸いです。

今後も、National Parksプロジェクト部会としては、国立公園・国定公園等の更なる利活用や民間活力活用のための提案及び実行について、企業会員の皆様方とともに取り組んでまいります。


②【ご紹介】株式会社Pioneerwork(パイオニアワーク)様(みどりのプロジェクト会員企業)取り組み等のご紹介

この度、みどりのプロジェクト会員企業の㈱Pioneerwork(パイオニアワーク)様より、森林利活用の一つとしてのマウンテンバイクによる地域活性化に向けた取り組みについて、より多くのフィールドで実践をしていくべく、ご関心ある自治体会員・企業会員の皆様とぜひ連携したいとのことで情報提供がありましたのでご紹介いたします。

本取り組みにご関心ある自治体・企業の皆様いらっしゃいましたら、一度顔合わせミーティングを設定させていただきますので、事務局内ナショナルパークスジャパン山内まで今月中を目処にご連絡をくだされば幸いです。

1.㈱Pioneerwork(パイオニアワーク)の紹介

社名の「Pioneerwork」とは、「創造的な登山」という意味で、8,000m峰の初登頂など地球の空白を埋め世界初に挑戦しつづけた戦後の日本の登山家が使ってきた言葉です。まだ誰も登ったことのない山へ挑むように、まだ誰もやっていない登り方で登るように、常に新しいことにチャレンジしていくという意思を込めています。

企業ウェブサイト: https://www.pioneerwork.co/

Pioneerworkでは、自然の中で行うスポーツやアクティビティを総じて「Earth Sports」と呼び、提唱しています。Earth Sports を軸に、そのフィールドとなる自然環境やそれを支える人・文化、それらに新たな価値を生み出すため、全国各地でEarth Sportsを観光・スポーツ・環境の3つの側面から事業化するためのサポートをさせていただいております。

今回は、我々がこれまでかかわってきたプロジェクトのなかでも、森林をフィールドとしたEarth Sports として、マウンテンバイクによる地域活性化に向けた取り組みをご紹介したいと思います。

2.森をフィールドとしたアーススポーツ「南アルプスにおけるマウンテンバイク推進」

〇南アルプスマウンテンバイク愛好会

まず、このプロジェクトの主役は「南アルプスマウンテンバイク愛好会」です。 南アルプスマウンテンバイク愛好会のホームページはこちら:南アルプスマウンテンバイク | Minami-Alps MTB

南アルプスマウンテンバイク愛好会は、
1.”マウンテンバイクで日本を元気にする”をビジョンに
2.「関係人口の創出」「山林の環境改善及び保護意識向上」「地域との密接な関係構築」「責任あるマウンテンバイカーの育成」を目的として
3.「地域行事・活動への参加・支援」「地域の歴史文化、自然ならびに持続可能なトレイルづくりに関する研究及び普及」「MTBによる山林の巡視・環境整備」「MTBに関する普及啓蒙」事業 に取り組む会員組織です。

〇こちらに表現されているように、マウンテンバイクでの走行だけではなく、むしろ地域コミュニティとの関係構築や環境の維持管理に、精力的に取り組み、約9年の歳月をかけて、地域貢献活動をしながら、総延長15km・標高差1,000mのMTBトレイルフィールドを築いています。これらのトレイルは、かつての交易や湯の道等として使われていた古道であり、愛好会会員の手によってMTBトレイルとして蘇らせたものです。会員自らがトレイルをつくり、維持管理を行っています。

〇マウンテンバイク事業推進のための取り組み

Pioneerwork と南アルプスマウンテンバイク愛好会のきっかけは、愛好会代表の弭間(はずま) 亮さんとの出会いでした。弭間さんのビジョン、思い、これまでの取り組みを伺い、非常に感銘を受け、愛好会のビジョンのためにPioneerworkも少しでも力になりたいという思いから、取り組みがスタートしました。

その当時、観光庁から公示の出ていた「令和3年度アドベンチャーツーリズム等の新たなインバウンド層の誘致のための地域の魅力再発見事業」に採択をされたことも大きく、この事業のなかで、マウンテンバイクの事業推進に向けたインバウンド向けE-MTBツアー造成や、すそ野拡大のためのイベント開催、各種プロモーション展開、ウェブサイトや動画、ビジョンマップ等の各種アセットの制作等の様々な取り組みを展開しました。

制作した動画は、南アルプスマウンテンバイク愛好会の精神が込められたものになっていますので、ぜひご覧ください。


ただし忘れてはいけないのは、この間も、弭間さんはじめ南アルプスマウンテンバイク愛好会の皆さんが、マウンテンバイクトレイルの開拓・整備、地域貢献活動を日々行ってくださっていたということです。こうした地道かつ誠実な取り組みこそが大きな実りになるということを強く感じます。

〇山林・森林をフィールドとしたアクティビティ推進のハードル

上記の取り組みを進めるなかで学んだこと。それは、アクティビティにおける、日本の自然のフィールドの使いづらさです。森林総合研究所主任研究員・平野悠一郎氏によると、その背景には、多様化する森林利用に対する利用と管理の仕組みが日本では十分に整っていないということが挙げられます。

1.利用場所(森林・山道)の「属性」が相当多く、それに応じて「許認可」も複雑
2.「誰」が山や森を「使って良い/使ってはいけない」と「明確に定める法律が皆無
3.山道の維持整備・安全管理の義務・責任の所在が法的に曖昧
(出所:森林総合研究所主任研究員・平野悠一郎氏)

南アルプスマウンテンバイク愛好会では、山林の土地所有者や管理者、行政、地域社会との合意形成をコツコツと丁寧に行いながら、新たなトレイルの開拓を行ってきています。ただし、それは生半可なものではなく、一人ひとりへの説明にも大きな時間と労力がかかるものです。

そのため、上記の事業では合意形成の一助となるべく、南アルプスマウンテンバイク愛好会のビジョン、マウンテンバイク推進による地域社会・経済への波及効果や環境保全への効果や、日本におけるマウンテンバイクを取り巻く状況、これまでの南アルプスマウンテンバイク愛好会の活動実績等を、エビデンスとともにとりまとめたFACTBOOKを作成しました。

こうした南アルプスマウンテンバイク愛好会の皆さんの活動が実り、山梨県の令和4年度の施策には「森林空間活用MTB聖地化推進事業」が新設されています。

南アルプスマウンテンバイク愛好会の皆さんの活動には、これから日本の各地域でEarth Sports を推進していくうえで、欠かせない重要な視点が凝縮されていると感じます。

3.新規プロジェクト

北海道上川町でも、林業とマウンテンバイク、カーボンクレジットを掛け合わせた地域づくりのプロジェクトが始まります。こちらについても、別途ご報告させていただきますので、ご期待ください。

また、Earth Sportsを軸にした事業構築に関心のある方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけください。


■事務局からのお知らせ(編集後記)
戦争が起きてしまいました。世界中の誰もが仲間のはずなのに。与えることや、分け合うことではなく、奪うことが心を占めてしまうと、私たちは残酷な結果を導いてしまうのでしょうか。
日本みどりのプロジェクト推進協議会は、自然といかに交流し、分かち合い、共に生きていけるのかを探り続け、実行・実現していきたいと思います。皆様の積極的な活動が、地球を穏やかで持続可能な場所にしてくれるものと信じて。


これからも、みどりのプロジェクトに関わる情報をご紹介して参りますので、皆様におかれては、本協議会の場をご活用いただき、闊達な意見交換や事業開発を行ってくだされば幸いです。プロジェクトのご相談・ご提案もお待ちしております。

---------------------------------------------
<発行>
日本みどりのプロジェクト推進協議会事務局
https://midori-project.jp/
お問い合わせ(一般社団法人 テラプロジェクト)
TEL: 06-6317-3407
MAIL: in...@midori-project.jp
---------------------------------------------

2022.03.16

一覧へ戻る